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「ワーケーション」という働き方について考えてみた

リゾートでワーケーション

ついさっきまで別のテーマで書こうと思っていましたが、過去2回のブログに関連するテーマである「ワーケーション」について語ります。
前回述べたようなコロナによるテレワークの拡大によって「職住近接」が一気に進んだ感がありますが、さらに進んで仕事と休暇をミックスしたような働き方と言うか生活そのもの、それが「ワーケーション」です。


「ワーケーション」はワーク・ライフ・バランス向上の切り札になる可能性を秘めています。
それでは、現在の状況を見ながら考察してみたいと思います。

「ワーケーション」の実態

ワーケーション中の男
ご存じの方は多いと思いますが、ワーケーションとは、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語です。
「じゃあ、これって仕事なの?休暇なの?」と思う方もいるかもしれません。
私がかつて会社勤務をしていた頃、こんな事を考えていました。
「仕事と休暇をきっちり切り分けられたらベストだが、休暇中でも少し仕事をこなしても良いな」
「オフィスとは全く違う環境下だと、もっと仕事がはかどることもあるかもしれない」
正に「ワーケーション」はこれらを実現するような働き方です。

では、現在の「ワーケーション」の実態を探ってみたいと思います。

ワーケーションの市場規模

株式会社矢野経済研究所の調査によると、2020年度のワーケーション市場は699億円と予想されています。
今後は、テレワーク導入企業を中心にした有給休暇取得や地方創生を促進するためのツールとしても注目されており、2025年度には3,600億円超の市場になると予測されています。


コロナによる移動制限やインバウンド需要の激減による影響を受けた地方自治体が、地域再活性化を目指して新たな仕組みづくりに動いています。また、同様の影響を受けた旅行代理店や航空会社もワーケーションを軸に地方に活路を見出そうとしています。

ビジネスパーソンの意識はどうか?

BIGLOBEが行った調査によると、経営者の68%がワーケーションに関心を示し「社員同士のコミュニケーションを充実させるため、チームで行うワーケーションを実施してみたい」と考えています。

また、リモートワーク可能な会社員に、ワーケーションで同僚が同行することについて聞くと、約63%が同僚と同行するワーケーションに肯定的でした。
この回答を見た時、最初私は意外に感じました。何故ならワーケーションを休暇主体に考えたときにはあくまでプライベートな時間であり、誰からも干渉されたくないのでは、と思っていたためです。
しかし、これは私の現在の働き方(フリーランス)から来るものであり、企業人が仕事主体でワーケーションを考えた時には「あり」だと思うようになりました。
思い返すと、会社勤めをしていた頃に、ワーケーションという言葉はなかったですがそれに近い事象があったのです。

かつての「オフサイトミーティング」はワーケーションの考え方に近い?

私が、前職で市場調査の部署に所属していたときのことです。
カウンターパートである調査会社と合同で「オフサイトミーティング」と称し、一泊二日でよく会議を行っていました。
会議の場所はオフィス以外であればどこでも良かったのですが、なぜか実施場所は浜名湖や熱海といった観光地でした。週末金曜日に現地集合で会議をしてその夜は懇親会、翌日は観光をして帰るというパターンが多かったと記憶しています。
今考えれば、これは広義のワーケーションとも言えます。思いっきりオフィスを離れたほうが新たなアイデア創出にも良いのです。

先述の調査でも、従来の社員旅行とチームメンバーと同行するワーケーションのどちらに参加したいか聞くと、「ワーケーション」が65%と大きく上回っています。
社内コミュニケーション活性化や生産性向上に一役買うかもしれませんね。

「ワーケーション」のこれから

ワーケーション中の女性
これから「ワーケーション」という働き方(休み方?)はどのように発展していくのでしょうか?
また、そこに課題はないのでしょうか?

企業はテレワークと同様にワーケーションにもルールや制度設計が必要となる

前回のブログで、企業はテレワーク導入に際しその制度を整備する必要があると申し上げました。
この点はワーケーションでも同様です。


そもそも、ワーケーションは業務なのか休暇なのかを明確にしなければなりません。
テレワーク導入企業がその延長線上で考える(=オフィス以外の一つの勤務場所)のであれば業務になります。
この場合、業務とプライベート時間である休暇をきっちり切り分けるべきか、有休や労災の問題にどのように対応するか等々、労務管理の観点で解決すべき課題が存在します。

無限大に広がるワーケーションの将来性

全国各地で地域活性化のためにワーケーションを取り入れる自治体や企業が増えつつあります。

また、主にはフリーランス向けではありますが、「HafH」などの月額制多拠点サービスを利用し一箇所に定住することなく好きなときに好きな場所で働くといった新しいワーキングスタイルも発展していくでしょう。
アフターコロナで移動制限が解けたら、国内に留まらず世界中でワーケーションができる世の中が来ます。

業務と休暇の垣根を取り払い、時間と場所に制約されない究極の職住近接のワーキングスタイルである「ワーケーション」は無限大の可能性を秘めています。

さいごに

仕事と休暇の両立
現在は様々な事情があり実現できていませんが、ワーケーションは私にとっても憧れの働き方です。
長期に渡り全国の拠点を回り地域にふれあいながら仕事をこなす、というワーキングスタイルをいつかは実現したいと思います。

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